ここは、小さな街のコーヒーショップ朝からよい天気の日だった
教授はデパートの紙袋をさげて・・・・・・きょうも、やって来た
彼は決まって花の飾っているカウンターの前に座る
いつものように花の香りを吸い込み、目を閉じる
しばらくして
紙袋から原稿を取り出しカウンターを机代わりに仕事を・・・・・・
実は、彼は 早大教授なのだ”
丸い頭に、丸い顔、そして丸い眼鏡
彼には・・・・・・・一度会ったら忘れないオーラが漂っていった
彼はバイトの私にすごい”注文をして来た
「カッパの絵を描いてください」と言うのだ
・・・・・しかも「黄桜のカッパの絵を」???
私は困ってしまった
記憶の中に微かに美しいカッパが浮かんでくるけど・・・・・・・・・?
教授は、黄桜のお色気たっぷりのカッパが大好きだという。
困り果てている私の前に、ボールペンとメモ用紙をサインでも頼むように
差し出す。まるで小さい子のように真剣な目で・・・・・・・。
やっと、それらしき絵が出来上がり彼はそれを大事そうに抱え帰っていった
本当に、あの「おねだりおじいちゃん」大学教授なんだろうか?
世の中は・・・・・・・不思議、ふしぎ。
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